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真珠 [和歌]



やまとうたは

人の心を種として


万の言の葉とぞなれりける


世の中にある人

ことわざ繁きものなれば


心に思ふことを

見るもの聞くものにつけて

言ひ出せるなり


花に鳴く鶯

水に住む蛙の声を聞けば


生きとし生けるもの

いづれか歌を

よまざりける


力を入れずして

天地を動かし


目に見えぬ

鬼神をも

あわれと思はせ


男女の中をも

和らげ


猛き武士の

心をも

慰むるは


歌なり







自然の力で


なめらかに

カボッションされた


珠のような

言葉だと思います。


高校生の時

授業で暗唱したような

覚えがあり


時々思い出しては

口遊んでいます。





詩歌など

もはや救済につながらぬ

からき地上を

ひとり行くわれは


(岡井隆)


男らしくて

思わず

ついていきたくなるような歌です。





牛飼いが歌よむ時に

世の中の新しき歌

大いにおこる


(伊藤佐千夫)


大人になって気づいたのですが


本を読むのも

大事でしょうが


それよりも


労働はもっと

もっと尊い

のだなということです。


アルプスの少女ハイジの

ペーターが

実はとても

偉かったのだと


自分も

働いたり

家事をしたり

子育てをするようになって

分かりました。


フィンランドの物語の

牧場の少女は


勉強しながら

働いていました。


昔の人の

足あとに

ひれ伏したい思いです。





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どきん [茨木のり子]



汲む

ーY・Yにー


大人になるというのは

すれっからしになることだと

思い込んでいた少女の頃

立居振舞の美しい

発音の正確な

素敵な女のひとと会いました


そのひとは私の背のびを見すかしたように

なにげない話に言いました


初々しさが大切なの

人に対しても世の中に対しても

人を人と思わなくなったとき

堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを

隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました


私はどきんとし

そして深く悟りました


大人になってもどぎまぎしてもいいんだな

ぎこちない挨拶 醜く赤くなる

失語症 なめらかでないしぐさ

子供の悪態にさえ傷ついてしまう

頼りない生牡蠣のような感受性

それらを鍛える必要は少しもなかったのだな

年老いても咲きたての薔薇 柔らかく

外に向かってひらかれるのこそ難しい

あらゆる仕事

すべてのいい仕事の核には

震える弱いアンテナが隠されている きっと・・・

わたくしもかつてのあの人と同じくらいの年になりました

たちかえり

今もときどきその意味を

ひっそり汲むことがあるのです







30代の頃も今も

変わらず

好きな詩です。


タイトルにある

イニシャルのY・Y


というのは

よく知られているように


山本安英さんという

女優さんのことです。





私が

まだ10代の

学校時代


自分でも

知らず

影響を受けていた

先生がいます。


その時は気づきませんでした。


それが

だんだん大人になるにつれ


仕事の場でも


子育ての中でも


自分の心の

成長過程において

(成長していると仮定して)


私の中で

先生の輪郭や

影が

どんどん濃くなっています。


同時に

時々


心残りにも

さいなまれます。


気づくのが遅くて


ありがとう、

を言わなかったからです。



先生が

お若い頃


山本安英さんと

活動をされていたことは


先生が亡くなった後

手に取ってみた

先生の著書で知りました。


先生が遺して

下さった言葉でもあるような

気がして


この詩を

大切に想っています。


私は

堕落してないか、


それを隠しおおせるか?


時々

読み返しては


私も

どきん


としています。


なにしろ

失言、失態が多いのです。


ごめんなさい。




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剥きだし [日記]



久しぶりに

声をあげて

泣いてしまいました。


こんな

あばれんぼうの私


言いたいことを言って


やりたいことをやって


忍耐強いけど

がまんしない私


根気はあるけど

せっかちな私を


周りの人たちが

受け入れてくれ


その上さらに


愛情を

かけてくれるのが


ありがたくて

しあわせで


泣いてしまいました。







夫がいた頃はいつも


夫に

守られていました。


夫がいなくなって


むきだしになった

私は





全身で感じています。







30代の頃

お気に入りだった詩は


茨木のり子の

『倚りかからず』でした。





もはや

できあいの思想には倚りかかりたくない

もはや

できあいの宗教には倚りかかりたくない

もはや

できあいの学問には倚りかかりたくない

もはや

いかなる権威にも倚りかかりたくはない


ながく生きて

心底学んだのはそれぐらい

じぶんの耳目

じぶんの二本足のみで立っていて

なに不都合のことやある


倚りかかるとすれば

それは

椅子の背もたれだけ





前半部分は

私も


今も

その通りの気持ちです。


でも

後半部分のような


硬い木のような

気持ちは


見事に

消え失せてしまいました。





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守衛室4 [博多なほ子]



雨の降る夜の海は

昼間の

青く光る開放的な面影は

どこにもなかった


真っ暗な闇だった


傘を砂にさして

その柄にコートをかけ

その上にポシェットをかけた


私は沖を目指して

砂浜を歩き始めた


このまま海に入って


消しゴムで

私を消すように


消えてしまいたかった


海水を

冷たいと思う感覚もなく


海水がひざから

徐々に

上へ

体を包んで行く

状態だけを

いやにはっきりと

認識させられていて


感情や思考が

どこかへ消え失せて

しまっているような

私を


私が

沖へ進めている

そんな感じだった


私は泳げない


足が届かない

ところまでくれば


大きな波に連れて行かれ

いやでも

その先へ運ばれるだろう


その

いやでも

というところが


私の、


私に精神世界の荷を負わせた

見えぬ神がいるとすれば


その神への願いだった


もう


首一つ

波の上に出ているだけだった


沖の沖まで真っ暗で

はっきりした

音という音もきこえなかった


頭のすみで

こうやっているのを

自覚している

自分の意識を

不思議にも思った


後ろを振り返り

陸の方を見る


遠くに

砂浜沿いに走ってる

国道の灯りが見える


もう一度

沖に目を向け


思いきって前に進み

両手を握り合わせた


大きな波が来て


私の足をさらい

体が横になった


私の体が丸太のように

くるくると回転した


なぜだか

両手を握り合わせたまま

私は浮いている


くるくる回りながら

何度か思いっきり

海水を飲み込んだ


まだ意識は

はっきりしている


両手を握ったまま

やがて足を伸ばしてみる


波に押し返されて

しまったようだ


足が届く


普段以上に

意識が鮮明になっている


そんな意識が

こんな状態の自分を

笑ってしまう


神どころか

死んだ姉さえ


姿が見えなかった


幻さえ見なかった


見えるのは


はっきり、くっきりした

沖まで暗い現実だった


しばらくそのまま

沖を見つめ


そして振り返り

陸の灯りをみつめた


そして陸に上がった


ずぶぬれになった服に

先ほど、

傘にかけていたコートを着て

ポシェットをまた、肩からかけ、


傘をさして駅まで歩き

ガラガラの上り電車に乗った


車両には

誰もいなかったので


少しほっとしながらも

電車の車内の照明が

いやに明るく思えた


ただそれ以外

さほどの感情も

浮かばないまま


じっと前を向いて

横浜駅に着くまで

同じ姿勢を保っていた


横浜駅からタクシーに乗り


ビルの管理人をしている

両親のいる星川まで戻った


タクシーから降りたとたん


胃の中の海水が

勢い良く口からあふれた


この日私は


海のみそぎを受けたようだ





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愛を込めて [ロゼ]



義母が送ってくれた

林檎と


母が大事にしていた

檸檬の木から


もいできたばかりの

檸檬で作る


アップルパイ


美味しくないわけがない




鍋の中の

林檎と檸檬を

かき混ぜる


酸っぱいことのほうが

多かったかもしれない


それぞれの

人生を想いながら


美味しくないわけがない




飴色になった林檎を

パイ地の中に


包んでいく


愛を込めて







私という木も

クリスマスモード。


焦っています。


お便りしたいひとたち


会いたいひとたち


片づけること


したいこと


ぜんぶ

やりおおせるかしら。


けれど


こうして

詩を書いていると


思い出せます


成るように成っていくこと。


二度とない、この時を

味わうこと。







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指サック一つで [ロゼ]



可愛いデザインの

指サック


欲しいと思いつつ

買いそびれたまま


もう

なんでもいいやと


しかたなく

職場の

味気ない

青い指サックを


親指と人差し指に

はめていますが


それはそれで

けっこう気に入っています。


どれくらい

気に入っているかと言うと


今日

外にランチに

出かける時も

外さず

はめていたほどです。


以前


可愛い指サックを

上司にもらって


使うのがもったいなくて

印鑑にはめて

上下の目印にしていたのですが


銀行の

窓口の女性に


すごい!

こんな可愛い印鑑があるんですか!?


と感動されたことがあります。


いや、100円の指サックを

付けただけですけどね。


(ひとにもらったものを

こんな言い方もなんですけどね...)


私も


面白いほど

紙がめくれる

指サックに


日々

感動しています。


指サック一つで

けっこう し合わせです。








魔法の手



タオルと下着を

自分で洗ったという母


麻痺した手で

どうやって洗ったのか


驚きながら

乾いた洗濯物に

そっと触れると


びっくりするほど

柔らかい


洗面所の

石鹸で洗っただけなのに


こんなにも

ふっくら


洗い上げる


母の手には

魔法が

かけられている







母は

年をとっても

とてもきれいな手をしていました。


介護中も

周りの方々に

よくほめらました。


そして


母はたぶん

緑の指の持ち主、

だったと思います。


母の手にかかると


肥料など

なくても


ひっそり

枯れかけた


小さな花が

かわいらしく


息を

吹き返していました。




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モーション [詩情]



ユニコーンは

はじめ

向こうを向いており


私は

あそこに白馬がいるな、

と思っていました。


気づくと

私の目の前に


猟師のような格好の


背の低い

髪の長い

髭も長い


おじいさんが

立っています。


おじいさんは


その風貌からは

想像しにくい


角笛のように

よく通る

よい声を


フォーン



あたりに響かせて


ユニコーンを呼びます。


すると

ユニコーンは


ゆっくりと


振り返ります。


その時はじめて


私は

その白馬が

ユニコーンだと気づきます。


ユニコーンは

こちらを見ないで


うつむいて


一足

一足


近づいてきます。


命の温みを

全身から

感じます。


畏れで

心が静止すると


対象が

浮かび上がり


ふだんの

次元にはない

動きをします。


白馬を見たのは

雲の上のようでしたが


ユニコーンと

見つめ合った時には


銀の河の流れの中


やわらかい光の粒が

私たちを

取り巻いていました。


ユニコーンが

私を気に入ったかどうかは

わかりません。


その後


私が

怒りのままに


その対象へと

向かおうと

する時


ユニコーンが


私の目を

じっと見つめます。


そして隣にいる

おじいさんが


代わりに

語るかのように


だめだ、

と言うかのように


首を振ります。




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冬の宿り木



二か月ぶりの宿り木


12月3日(日)

12月16日(土)


*各日とも11時くらいから17時まで開けてます*


お好きな時間にどうぞ。


詩や絵や本が好きな人。

誰かに何かに恋する者。

人生を愛する老若男女。

人生に疲れたあなた。


ようするに誰でも。


お気軽に

お立ち寄りください。


*詩や絵や写真、手作りの作品など、展示したい物がある方は、ご連絡ください。無料です。

*場所は新宿です。


mu.you.jeジーメール




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さすがのレベッカ [Marie-An]



レベッカ


アルバイト先で。


同じアルバイトの

男の子二人組に


あれ?

レベッカちゃん、

なんか

ご機嫌わるそうだね?


へらへら言われ


おまえらが

うざいからだよ!


と一蹴したそうです。


さすがレベッカだわ、


マリーちゃん

感心しています。


そこまでは言えないよね。

うん、なかなかね。



昨日



職場に

迷いこんできた

小さなお婆さん


一枚の紙を手に

困っています。


助けるのに

15秒もかからない

内容です。


ただ

ちょっとした理由で


勤続30年の男性に

一応、

確認しました。


すると


あの、すみません!!

それは私の仕事ではありません!!





いつも周りを

困らせているセリフ


不安そうなお婆さんを前に


またしても


そのセリフを

言いかけたので


じゃあ、もういいです!!


私は

みなまで言わせず


さっと

踵を返して


小さくジャブ。


これくらいが

精いっぱいです。





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指きりげんまん [日記]



仕事で

仲のよい


二十代の男の子




偉くなったら


必ず

ロゼさんを

俺のとこに

呼び寄せますから。


そうしたら

来てくれますか?


ほんとに?

(私 老婆になってるかもよ。)


ほんとです。


だから

待ってて下さい。

約束ですよ。


うれしい

ありがとう


だけどあと

五年はかかる...


ううん、

五年なんて

あっという間!


それに

あなたなら

もっと

あっという間









いつも

私のしている仕事を

からかっては

ほめてくれます。


そうして


いつか

私を雇ってくれると

言ってくれます。


机をふいたり

えんぴつを削ったり


そう耳が遠くなければ

電話を受けたり

お茶をいれたり


それくらいなら

できそうだけど


ただ


私が老婆になる前に。


なんて茶化せないほど

キレ者の彼のこと


ほんとに

どんどん偉くなりそう。


よろしくお願いします?




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